英語の語彙を増やす学習方法

英語の語彙を増やす学習方法

ここで紹介するのは、ゲーム感覚で楽しめ、しかも実戦の英会話で使える英単語強化の学習方法です。私自身がこれまで行ってきた中で最も効果的で、かつ私のレッスンを受講されている生徒様方に実践していただいて効果が証明されている語彙力アップ学習方法です。

まず、この学習方法にたどり着くまでのいきさつを簡単にお話します。

英語の語彙を増やさなければならないことは理解しているが、その学習となると中々続かない、ということを私は幾度となく経験してきました。 単語カード作成、写し書き、ICレコーダーに録音して聞く、また単語本を使う等など、一般的に行われていることは一通り行ってきたつもりです。

しかし、せっかく時間をかけて作成したものも、そのほとんどは長続きしない、もしくは単語本も飽きてしまい、ページ半ばで放棄、などと継続して学習できたためしがありませんでした。 今でも作成後に1,2回ほどしか使っていない単語カードが数セット机の引き出しの中に眠っています。過去に何度同じことを繰り返してきたことか。 

最悪なのは、それらを使わないことではなく、学習した単語でさえ、それらの多くを覚えていないことです。

50歳半ばにさしかかり、私は英検1級の試験に向け「英検1級 出る順で合格!単熟語」(The Japan Times出版)を購入しました。バイトとオンライン英会話のサイドビジネスの両立で勉強する時間も中々とれませんでしたが、通勤の行き帰りの車の中で付録のCDを聞き続けていました。この時は、以前とは意気込みが違いました。

この本に初めて目を通した時、正確に意味をこたえられる単語は1割でした。CDを一日30分から1時間聴き、また過去の問題集を解く学習を継続しているうち、過去問10回分ほどの正解率は8割ほどまでに上がっていました。英検1級合格は私にとってはMustだったので結構力の入れ方が違いました。

一見順調ではありましたが、この学習を継続しているうちに私にはある懸念が浮かび上がってきました。せっかく苦労して覚えた単語を、果たして実際の会話で使えるようになるだろうか、また記憶をどれだけ維持できるだろうか、ということです。

短期的に覚えたものは忘れるのも早い、という経験は受験や何らかの試験対策勉強をした人であれば経験があることでしょう。

  それまで機械的に行ってきた学習にブレーキがかかりました。10000語レベル・スーパーボキャブリラービルディング(植田一三著 ベル出版)を使い、コロケーション(他の単語と組み合わ)での学習も行っていましたが、いまひとつ会話で使えるレベルまでいかなかったのです(単に学習不足というだけかもしれませんが)。他の単語との組み合わせができても、文が作れなかったのです。

この頃、ある通訳家の方が書いた書籍の中に、短い日本語を片っ端から英語に訳してゆく学習が効果的であるという内容に興味をもっていました。この学習方法は「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」(森沢洋介著 ベル出版)で推奨している学習方法で、この本がよく売れていることから、実践している学習は多いと思います。

私には、もうひとつ興味を惹かれる学習方法がありました。上田あきらさんという医師兼同時通訳の方がYoutubeにアップロードしていた、「上田式シャドィング」というものでした。 100単語程度のパラグラフだったと記憶していますが、時間を計りながら早く音読する練習です。 ストップウオッチを用い、初めに読み上げた時間を基準として、何度も読みながら時間を短縮してゆきます。

最後の方は文を暗記するくらい繰り返し練習を繰り返していました。 さすが、プロの学習は密度が濃い、と思いました。とにかく、よくあれだけ早く英語が話せるものだと感心して見ていました。

これら二つのメソッドを私なりに実践してみて思いついたのが、これら二つをミックスするという単純な発想でした。 当時英検1級対策のために使っていた「英検1級 出る順で合格!単熟語」の1ページ目にさっそく挑戦しました。 ちなみに1ページにある文章の数は12です。 1、2番目には次のような文章が掲載されています。

「バイオ燃料はガソリンの代替物として用いられる」
Biofuels are used as an alternative to gas.

その新しい措置は地域経済を後押しするのに役立った。
The new measure helped boost local economies.

上記文は比較的短い方で、1ページに12の例文が掲載されています。 初めは難しいと感じていた学習が、何度か練習しているうちに、みるみるできるようになってゆくのです。快感でした。 そして1ページ12の例文を50秒の時間を設定して取り組んだところ、20回ほど練習を繰り返したあたりで、目標時間を切ることができました。 その頃には、日本文を全文読まなくても、文頭を見ただけで何が書いてあるかわかる状態になっていました。 この時点ではもう日英訳ではなく、頭にある情報を英語でアウトプットするという状態、つまり、英語を話している状態に近づいていたのです。

では、下記がその学習補法です。
1、1ページ(12の例文)の英文音読5〜10回。(難度によっては回数は異なります)

2、日本文を英訳する。わからない場合は、あまり考えずにすぐに英文を音読、そして見ないで2度声に出す。

3、12の例文を50秒以内で英訳できるまで繰り返し練習する。(級と学習者のレベルにによって30〜60秒内で設定します)
  初めの頃は、50秒を切るまで20分~30分かかるでしょうが、語彙が増えるに従い時間が短縮されてゆきます。

4、2の作業が終えたら次のページに進み同様の学習をします。

5、翌日、1、2ページを再度50秒切るまで行います。
  通常、すでに50秒を切っているページは、3,4回行えば50秒を切れるようになるでしょう。2回で時間を切れるようになるまで練習します。

6、上記の学習を同様に次のページへと進めてゆきます。

7、150例文あたりまで進んだ頃に、今度は1から100までを通しで行います。(各ページがコンスタントに2で時間を切れる状態になっていることが前提です)
  第一目標は10分。次なる目標は7分です。(級によって異なります)
  100単位で行う場合は、時間内にできなくてもかまいません。ただし、必ずページの余白に月日と時間を記録しておきます。

8、後は同様の方法でどんどん先に進むのみです。

1日に1ページのペースで進むことができれば、5か月弱で1冊分1680の例文の瞬間日英訳が可能になります。1680の単語ではなく例文を覚えてしまうのです。とはいえ日英訳なので、まったくの暗記というわけではないので、それほど苦になりません。 それどころか、面白いように覚えられるので楽しくてやめられなくなります。

現に私のオンラインレッスンを受講されている生徒様も同様に楽しんでおられます。 中には約2か月で2級レベルを1000例文まで進めた生徒様もいらっしゃいます。

この学習の目的とメリット
1、1ページ10個から12の例文を設定した時間内(50秒。レベルによっては45秒)で日英訳が出来きるようになるまで、繰り返し英語を読み上げるので、英語舌が出来てくる。

2、常に[主語][動詞][目的語・補語]などの語順を意識しながら学習することで、英語の語順を組み立てるスキルがアップする。

3、例文ごと覚えるので、日常会話の際にも自然と使えるようになる。(実際に先に進むにつれ、使える単語が増えていることを実感します)

4、何度も繰り返し学習することで、例文の単語を入れ替えて応用を利かせるスキルが備わってくる。

5、時間を意識して行うので集中力が切れない。 とにかく50秒を切るまではやめられませんから必死になります。

6、100単位で行うようになると、10分という時間の長さに対する価値観が大きく変わる。
 10分間の隙間時間で100もの例文の日英訳ができるのです。もし1000まで到達できれば、一日10分10日間で1000もの例文の日英訳が学習できるようになるのです。
これだけ密度の濃い学習ができるのです。こうなると10分間の隙間時間が待ち遠しくなります。

6、同様の学習を他の教科書でも応用できる。ちなみに私は現在、通訳ガイド、国連英検特Aの試験準備をしていますが、その中で日本の文化について説明する学習を同様の方法で行っています。使っている書籍は[英語で説明する日本の文化 必須方言グループ100(植田一三他著 語研出版)]です。覚える文章は次のような内容です。

「京都は、日本の伝統工芸や伝統芸能並びに歴史的寺社仏閣で世界的に有名な日本の古都である」
Kyoto is world-famous as an ancient capital of Japan for its historic temples and shrines as well as traditional Japanese crafts and performing arts.

これくらいの長さの文5〜10を1セットに1分〜2分を目標に行っています。

英語の上達には文法の理解力と語彙力が必要だと思います。 学習方法は人によって異なり、どれが一番良い方法であるかも、人によって違います。

まずは、できるだけ早い段階で自分にあった方法を見つけることです。 そして、見つけたらひたすら学習を続けることです。

他の人が単語を覚えるためのノウハウ本を読んでいる間に、100,200の単語、そして英語例文を覚えましょう。